韓国中銀、中銀による仮想通貨発行は「モラルハザード」もたらす

韓国の中央銀行は経済が不安定になることを危惧し、中央銀行独自のデジタル通貨を発行しないつもりであることを発表した。

 月曜日のコリアタイムズの報道によれば、CBDC(中央銀行デジタル通貨)は本質的に現在の法定通貨と同じように機能しないため、それを発行することは金融政策とその実行に悪影響を及ぼし、また市場を不安定にする可能性があり、その結果「モラルハザード」という危機をもたらす可能性があると韓国銀行(中央銀行)が語った。

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 加えて、新しいレポートにおいて韓国銀行は「デジタル通貨はお金として機能しない」とまで述べた。

 そのレポートの中で韓国銀行のエコノミストであるクォン氏は、韓国銀行はデジタル通貨を通貨として利用する実現可能性を調査していくが、「デジタル通貨はこれまで貸し付け、流動性、法管理に関連する様々なリスクにさらされてきたというのが私たちの考えだ」と述べた。

 より広い意味において、そのレポートは無制限に従来の通貨とデジタル通貨の両方を発行することは「社会的費用がかかり、社会便益を下げる」と警鐘を鳴らし、続けて以下のように述べる。

 「韓国銀行が貨幣の発行を完全に管理する唯一の主体であることが望ましい」

 しかし、韓国銀行はCBDCに完全に否定的であるわけではなく、CBDCは銀行システムに「革命」をもたらし得るとも述べている。ただし、CBDCが承認されるためには厳密な調査が必要となるであろう。

 聯合ニュースによれば、そのレポートは民間によるデジタル通貨の発行の規制を提案しており、デジタル通貨発行者が自身の持ち分の価値を誇張しないよう、発行者に税金を課すべきだとも述べている。

 「技術が進歩したからといって、民間セクターが貨幣の発行権を持つことを許されるわけではない。もしそのような事態が起きれば、韓国銀行が規制すべきだ。ただし、それは適切に行う必要がある」とクォン氏は述べる。

 1月にタスクフォースを立ち上げてから、韓国銀行はCBDCの可能性と仮想通貨がどのよう影響を金融セクターにもたらすかを調査している。

 

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